【書籍】任天堂資料館(仮)2023年オープン記念【岩田さん】

こんにちは。oyanです。
妻が「任天堂資料館ができるって!」と大きな声を上げたので、
ふと、岩田さんを思い出しました。
とりあえず、任天堂資料館(仮称)は2023年度オープン予定だそうです。
オープンしたら絶対に遊びにいきたいと思います。

さて、任天堂の社長と言えば岩田さんですよね。
岩田さんは2015年に55歳の若さでお亡くなりになりました。
そんな岩田さんは、ほぼ日刊イトイ新聞の糸井重里さんと仲が良かったらしく。
そらそうです。
ファミコン世代では伝説的なゲームである「Mother2」の企画と開発者の間柄です。

岩田さんが生前、こんなことを話してたよ!
をまとめたのが今日ご紹介する書籍です。
「ほぼ日刊イトイ新聞」がこの書籍を発刊していますが、
糸井さんだからこそ知っている話が満載です。

岩田さんについてはWikiを読んでみてください。

岩田さん: 岩田聡はこんなことを話していた。 (ほぼ日ブックス)

心に残った箇所をご紹介

この本は、糸井重里さんが見聞きした「岩田さんの発言」と
糸井さん自身が「岩田さんに投げかけた言葉」の2つで主に構成されています。
「岩田さんの発言」「糸井さんの発言」で分けて記載していこうと思います。

岩田さん(判断とは?と問われて)

判断とは、情報を集めて分析して、優先度をつけること

岩田さん(どんな会社で働きたいか?)

私は、自分がどんな会社で働きたいかと言うと、
 ● ボスがちゃんと自分のことをわかってくれる会社
 ● ボスが自分の幸せをちゃんと考えてくれる会社
であってほしいと思った。

岩田さん(こんなところでは働きたくない!)

人は変わっていくんだ。
これを理解しないリーダーの下では、
わたしは働きたくないと思った。

岩田さん(社員全員と面談する中で)

※ 岩田さんは経営不振となったハル研究所の社長に就任した際に、
  社員の事を知らないといけない。と社員全員と徹底的に何度も面談した。


話し合うテーマは全員違います。
でも、最初の質問は(唯一)決まっています。
「あなたは、いま、ハッピーですか?」
(ハッピーじゃないのは社長の責任だ)

岩田さん(面談について)

もともと企業理念などというおこがましいことを語るつもりはない
ただ、会社というのは、ある共通の目的を持って、
みんながそれを分担して、力を合わせるための場所だから、共通の目的は決めたほうがいい

相手とのあいだに理解と共感がないなら、面談をやる意味はないとわたしは思います。
ですから、相手が不満を抱えている場合、それはそれで聞くんです。
でもわたしは、相手の言うことを聞くあいだに、
自分の言いたいこともちゃんと言っているんです。
不満を持っている相手は、不満がたまっていればたまっているほど、
まずその不満をこちらが聞かないと、こちらの言うことは耳に入らないですよね。
なにかを言おうとしたのに、口をさえぎられて「それはこうだよ」と言われたら、
「あぁ、この人はなんにもわかってくれない」と思って当たり前ですよね。
ですから、言いたいことは言ってもらいますし、言いたいことを言ったあとだったら、
ある程度、入るんですよ、人間って。

面談でひとりひとりの話を聞いていると、
「この判断の背景にある、この理由が伝わっていないんだな」とか、
「わたしがこう言ったことが曲解されて、こんな不満を持っているんだな」
ということがわかってくる。
それで、自分はどうしてこういうことを言ったのかとか、
なにがあってこういうことを決めたのかということを、
もちろんなにもかも喋れるとは限りませんが、
その背景をできるだけ説明していくんです。

岩田さん(経営とは)

経営とは
「なには、なにより優先なのか」をはっきりさせること
順番をつけること
物事は、やったほうがいいことのほうが、実際にやれることより絶対多い
だから、やったほうがいいことを全部やると、みんな倒れちゃう

岩田さん(仕事をするとき)

仕事をするとき、
同じくらいのエネルギーを注いでいるはずなのに、
妙によろこんでもらえるときと、
あんまりよろこんでもらえないときがあるんですよ。
自分たちとしては、かけている手間も苦労も同じくらいなのに。
同じ100の苦労をしたときでも、
なぜかこっちの仕事のお客さんは100よろこんで、
こっちの仕事のお客さんは500よろこんだ、みたいなことが起こるんです。
もっと簡単にいうと、仕事をやっていて、ものすごくつらいときと、
そうでもないときがあるんです。
仕事だから、当然つらいことも混ざります。
というより、つらくないわけがない。
そのときに、つらさに見合ったぶんだけよろこんでもらえないと、
さらにつらくなるんです。
で、苦労以上の評価をしてもらっているときは、
社員も、どんどん元気になって、どんどん伸びていくように感じる。
自分たちがすごく苦労したと思ってないのに、
妙に評価してもらえるときというのは、
放っておいても、どんどんいい結果が出て、
いい循環になって、どんどん力が出ていく状態。
それが自分たちに向いている得意なこと。
そうじゃないことは向いてないことだ、というふうに、わたしはだいたい判断していますね。

岩田さん(基本的に、人間って、)

基本的に、人間って、
自分の得意なことと他人の不得意なことを比べて、
「自分は正当に評価されてない、不公平だ」って文句を言うんですよ。
それは、自分でも、知らず知らずのうちにやってしまうことがあります。
会社全体のことを考えるときには、こういうふうに考えて、
こういう軸で比較や評価をしていきましょう、
という共通認識を持たないと、すぐに「不公平だ」となるんですよね。

岩田さん(人が一緒に仕事をするためには、)

人が一緒に仕事をするためには、
最低限、苦手だろうがなんだろうが、
やってもらわないと困るということを決めないと一緒に働けないんですね。
というときに、
その「最低限のこと」を、なるべくちいさくすることが、
経営者としてただしいんじゃないかなとわたしは思うんです。

岩田さん(そもそも会社というのは、)

そもそも会社というのは、
持ち味の違うふつうの人が集まって、
ひとりでは実行できないような巨大な目的を達成するためにあるわけですから。

岩田さん(現状否定では理解や共感は得られない)

現状否定では理解や共感は得られない
世の中のありとあらゆる改革は現状否定から入ってしまいがちですが、
そうするとすごくアンハッピーになる人もたくさんいると思うんです。
だって現状をつくりあげるために、
たくさんの人が善意と誠実な熱意でやってきたわけでしょう?
不誠実なものについて現状否定をするのはいいと思うんですけど、
誠実にやってきたアウトプットに対して現状否定をすることは、
やってはいけないと思うんです。

岩田さん(どういうときに企画がうまくいくか)

どういうときに企画がうまくいくか
最初の計画では決まってなかったことを、
「これ、ぼくがやっておきましょうか?」
というような感じで誰かが処理してくれるとき。
そういう人がたくさん現れるプロジェクトは、
だいたいうまくいくんです。
逆にそういう現象が起きないときは、
たとえ完成したとしても、どこかに不協和音のようなものがあって、
あんまりよくないんですよね。
つまり、「こうなりたい」というイメージをチームの全員が共有したうえで、
現実的な問題が起こったとき、あるいは起こりそうなときに、
誰かが発見して、自然と解決していく。
それが理想のかたちなのかもしれません。

岩田さん(もしも、経営者がなんでもできるんだったら)

もしも、経営者がなんでもできるんだったら
ひとりで全部やればいいんです。
自分がいちばん確実で、自分がいちばん当事者意識があって、
自分がいちばん目的を知ってるんですから、
自分ですべてできるなら自分でやればいいんですけど、
そんなことをしていたら、
ひとりの時間とエネルギーの限界ですべてが決まってしまうんですよ。
だから、会社で働く人は、自分で担当すること以外は仲間たちに任せて、
ゆだねて、起こる結果に対して腹をくくるわけですよね。

岩田さん(明らかに自分と意見の違う人がいる)

明らかに自分と意見の違う人がいる
それは、理不尽にさえ思えるかもしれない。
でも、その人にはその人の理屈と理由と事情と価値観があるはずなんです。
そして、その人たちは、自分ができないことをできたり、
自分の知らないことを知っていたりする。
だから、すべてを受け入れろとは言いませんけど、
自分にはないものをその人が持っていて、
自分にはできないことをやっているということに対して、
敬意を持つこと。この敬意が持てるかどうかで、
働くことに対するたのしさやおもしろみが、大きく変わってくるような気がするんです。

岩田さん(アイディアとは)

アイディアとは複数の問題を一気に解決するもの
お金はたくさんつかえたほうがいい。
人がたくさんいたほうがいい。
かける時間は長いほうがいいものができる。
そんなことはわかりきってますけど、
そのわかりきったことをしているうちは、
ほかの人と同じ方法で進んでいくだけですから、
競争力がないんですよ。

岩田さん(Mother2開発時の名言)

いまあるものを活かしながら手直ししていく方法だと2年かかります。
いちからつくり直していいのであれば、半年でやります。

糸井さん(岩田さんのすごいところ)

岩田さんがすごいのは、力があるのに謙虚
もともと実力があって、
さらに勉強熱心だからどんどん力をつけていくんですけど、
いつも謙虚で、人を支えたり立てたり持ち上げたりする。
問題のあるところに入っていってプロジェクトを立て直すときも、
新しい人として入って、いろんな人に配慮しながら、
関係する人たちを腐らせずに活かしていく。
これはなかなかすごいことだと思います。
あと、社内でときどき岩田さんを「カービィ」って呼んでたの、
知ってます?長い会議のときとかに、お菓子があるとどんどん食べるでしょう?
それでみんなが「カービィ」って呼んでて、
岩田さんの前にはたくさんお菓子を積むようにしてた(笑)。

岩田さん(わたしは、わからないことをほっておけません)

わたしは、わからないことを放っておけません
興味を持ったことは知りたくなる。
だから、もしも自分にできないことを誰かができて、
同じ人間なのになぜ自分にはできないんだろうって興味を持ちはじめたら、
自分ができるようになる方法を考えはじめて、それを行動に移していくんです。
といってもそれは、歯を食いしばってものすごく努力するようなことではありません。
ちょっとずつ努力をして、
それに対して、「あ、ちょっとわかったな、おもしろいな」という、
自分の変化の兆しみたいなものをご褒美として感じ取ることができたら、
わたしはそれを続けることができるんです。
ひとつひとつはとってもちいさいんだけれども、
わかったり、つながったりすることで努力することがおもしろく感じられて、
その連続で身についていくような感じなんです。

まとめ

いかがでしたか?ほとんど岩田さんの発言になってしまいました(笑)
岩田さんの人柄が伝わりましたでしょうか?
岩田さんは元々は超優秀な天才的なゲームプログラマーでした。
仕事(作るもの)に対してとても情熱的で、任天堂WiiのWiiリモコンへの拘りは凄かったと言います。
開発する製品の規模が大きくなるにつれて、チームのマネージャーや会社の経営者となっていきます。
そうなると、今度は、他の社員たちを尊敬し信じて謙虚に物事に取り組んで行きます。
天才的なプログラマーで優秀だけど、とっても謙虚。
これどこかで聞いたような・・・
Team Geekですね。

【書籍】Team Geekでチーム作り?【在宅勤務で重要】

Googleのエンジニアが実践したチームの作り方と同じです。
そして、経営者として社員がハッピーかどうかを考え続け任天堂の社長として活躍します。
いろいろなエピソードがこの本の中には詰まっています。
もうほんとに全文を書き起こしたい気分でいっぱいですが、それは不味いだろうということで。
気になる方はぜひ読んでみてください。
そこまで分厚い書籍ではないので1日〜2日で読めてしまう分量だと思います。
わたしも、岩田さんという存在を忘れずに謙虚に生きていきたいです。

それではまた!