日本人はテレワークに向かない

コロナ渦もう1年半もテレワークを続けていると、
テレワークにもすっかり慣れてきた今日この頃。
つくづく、日本人はテレワークには向かないなと感じています。
そんなお話し。

そこのリモコンとって

こう家族に言われたとします。
普通に取りますよね。テレビを付けたいのだろう。と察しますよね。
これが、夜だったら純粋にテレビが見たいのだろうと察して、
これが朝の忙しい時間帯だと、もしかしたらニュースの右上に出ている時刻が見たいのかも。

日本語はハイコンテクスト

日本人は察します。空気を読みます。

良くも悪くも、日本人(日本語)の良いところかなと思います。

このように深く察する言語は珍しいらしく、
日本語はハイコンテクストな言語と言われています。

一方で、ドイツ語や英語はローコンテクストな言語と言われています。

これは、元々は文化人類学者のエドワード・T・ホールが提唱した概念で、
世界中の言語を2つの概念に割ったのだそうです。

ハイコンテクストは、一言で言うと「察するコミュニケーション」で、
空気が存在し空気は読めるもの。という言語です。
言葉にしなくても察しろ。男は背中で語る。男は顔で笑って腹で泣く。
これが日本語を使う日本的な文化です。

一方で、ローコンテクストは「説明し合うコミュニケーション」です。
言わなきゃ分からない。が基本です。

ローコンテキストとの比較

Wikiの比較表が分かりやすいです。

高文脈(ハイコンテクスト)文化No.低文脈(ローコンテクスト)文化
言葉以外に状況や文脈も情報を伝達する。
重要な情報でも言葉に表現されないことがある。
1伝達される情報は言葉の中で全て提示される。
曖昧な言語。非言語コミュニケーションの役割も大きい。2正確性が必要とされる言語。
一般的な共通認識に基づく。3言葉に基づく。
双方の合意に基づいた契約でも状況次第で柔軟に変更される。4双方の合意に基づいて契約され、変更は容易ではない。
感情的に意思決定される。5論理的に意思決定される。
沈黙は不快ではない。6沈黙はコミュニケーションの途絶として不快。
身体や経験で技術継承する。7明示できる知識として継承する。
高・低文脈文化

リモートワークだとハイコンテクストが仇に

前述の比較表。非常に分かりやすいですよね。
ねっねっ。日本語で日本人なら分かるはず。
ってこの表現自体もハイコンテクストな気がします。

ハイコンテクストなので、
会社で顔を合わせて少し話せば、
色々と察して仕事が進みます。

しかしリモートワークだと、
・誰が何をやっているのか分からなくなって不安
・同僚や上司が何を考えているのか分からなくなって不安
・連絡したけど、伝わっているのか分からなくて不安
・不安、不満を持っているのかすら分からない。
・言いたいことがあっても伝えづらい(ポイズン)
このような問題を抱えます。
会社に行って顔を合わせれば、何となく(なんとなくかよ)察していたのに(笑)

ひとまず背景も説明しよう

「リモコン取って」
これは、指示。

「テレビを付けたいのでリモコンを取って」
これは、目的と指示ですかね。

「時計が壊れていて時間を確認したいのでテレビを付けるためにリモコン取って」
これは、背景、目的、そして指示ですね。

仕事を依頼するときには、
目的を説明せよ!とかコロナ前は言われていましたが、
リモートワークになると、背景を説明してから目的と指示(依頼)をしないと、
どうしてもハイコンテクストに寄ってしまいますので、
まずは背景から説明すると良いかなと思います。

この背景から説明する。は私が1年半リモートワークを続けて、
気がついた発見でした。

ここからさらにリモートワーク環境下で、
ナイスなチームを作っていくための教科書を紹介します。
何冊かリモートワーク関連の本を読みましたが、
この本が一番実践的で役立ちました。参考までに!でわ!!

テレワーク環境でも成果を出す チームコミュニケーションの教科書 (Compass Booksシリーズ)